江戸堀印刷所

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SANBORIとは??

サ・ン・ボ・リ?

どうやら「土佐堀・江戸堀・京町堀」エリアを“SANBORI”というようです。

昨年末にこの界隈で「あったかバルナイト」というイベントがありました。
おそらくこれを企画された方が名付けられたようですが、
この宣伝ポスターを見つけた時、「サンボリって・・・」とツッコミを入れつつ
うまいことまとめるな〜、と妙に納得してしまいました。

たしかに最近この西区サンボリ界隈はアツく、
バルのようなお店やいい感じのご飯やさんが増えています。
実際このイベントも59店舗が参加していました。
私は仕事帰りに3軒ハシゴしました。

特に京町堀の「チュカテ」さんは、いつもワイワイと人が溢れていて大賑わいです。
スタッフのみなさんの清々しさと料理のおいしさがたまりません。
人が人を呼んで集まっているような、そんな気持ちのいいお店です。

ジャンルは違えども、チュカテさんのように
私たちもまずは“SANBORI”の方々や街に馴染んでいけるような
地元に密着した印刷屋さんでありたいと思っています。

イチョウたちはいずこへ

御堂筋のイチョウ並木は有名ですが、なにわ筋もなかなか立派なもんです。
オープンした頃はちょうど黄金色に染まっていて、
窓から見る景色は、それはきれいなものでした。
そんなイチョウが色づく頃も過ぎまして、気がつけば落ち葉の嵐。
いつのまにか、木々たちは寒々しく裸ん坊になってました。
そして、道路や街路樹の島にこんもりと溜まった落ち葉の山は
一体どうなるんやろう・・・といつも疑問に思っていました。
そしたら先週のこと。
お兄さんやおっちゃんたちがどこからかやってきて
一生懸命作業を始め、どんどんトラックに積み込んでいきました。
こういうことになっていたのね。
気分も見た目もスッキリ。

知らない間に街がきれいになっていたりすることも、
誰かがこんな風に作業をしているからなんですね。
今更ながら・・・

アダナプレス(小型活版印刷機)

工房内にはいくつか機械がありますが、
まずは この印刷所をつくるきっかけにもなった
プラテン小型活版印刷機「Adana-21J」の紹介をします。

タイポグラフィ関連の書籍を扱う出版社でもある朗文堂さんが
復刻版として製造・販売されている印刷機。

この「Adana-21J」は新たに国産として製造するために、

1970 年代初頭にイギリスから輸入されたAdana Eight-Fiveがモデルと

なっていて、ボディは渋いブリティッシュ・グリーン。
置いているだけでもかわいく、使うとなお楽しいです。
朗文堂の片塩さんと大石さんはほんとうにすごい方たちです。

このタイプの小型活版印刷機は、
日本に導入された当初(明治初期)は足踏み式だったことから
最初は「フート印刷機(foot press)」と呼ばれ、
それが手動となり現在では「手フート」または「手キン」と
呼ばれるようになったという変遷があるそうです。
おかしな呼び名ですよね。
昔のなごりを感じる業界用語っておもしろいです。

今ではいろんな印刷方法がありますが、
活版印刷は、なにより印刷の原点です。
それを誰にでも一番わかりやすい形で伝えられる印刷機として
置いておきたいという思いで購入に至りました。
2007年4月の発売と同時に勇み足で申し込んだので、
実はシリアルナンバーが「0001」という貴重な一台なんです。 
これをいつか目に見えるところに展示して、たくさんの人に
印刷の原点、おもしろさを知ってもらいたいと思いながら、
会社の隅にひっそりと置かれたままになっていました。
それから早4年の年月が過ぎた2011年、
ようやくお披露目できる工房が完成したわけです。
活字を使って、アダナで印刷してみました。
デジタルデータではなかなか表現できない、なんともいえない書体が
素朴でやさしいです。